ストーリー

はじめの一歩は雨ニモマケズ。富山県南砺市で種採りをしました

10月3日・4日の2日間、連携協定式から1週間が経った富山県南砺市で種採りを行いました。記念すべき南砺市での活動初日は雨。さらに2日目は一時猛烈な雨。なかなかハードな天候のもと2日間作業をして、最後に撮った写真がこちらです。なんだか分かりますか?実は相当な労力の結晶なんです。

この写真がゴールだとしたら、スタートは南砺市利賀村の天然林でした。

10月3日、先日協定を結んだ株式会社ミチルワグループとグループ会社のヴィスト株式会社のみなさんと一緒に、まずは緑のなかをうろうろ。

なにをしているかというと、山に植える苗木を育てるための種を採っています。狩猟採集民の血が騒ぐのか、みなさん袋を握りしめて夢中に。

こちらでしゃがんでいる2人は、種ではなく「山引き苗」の採取にチャレンジしています。山引き苗というのは、林内に生えている稚樹をとってきて、苗木として利用するものをいいます。しっかりと根が張っていたのでなかなかとれず根気のいる作業でした。

みんなで集めた種を軽トラに載せます。

▼高木・小高木15種
ミズナラ、クリ、アカイタヤ、ヤマモミジ、コハウチワカエデ、ウリハダカエデ、サワシバ、クマシデ、エゾエノキ、ケヤキ、シナノキ、キブシ、リョウブ、コシアブラ、ミズキ

▼低木5種
ハイイヌガヤ、ツリバナ、コマユミ、ケナシヤブデマリ、ウツギ

合計20種類。たくさん集まりました!

たっぷりと体を動かした分、夜はよく眠って翌日。南砺市内にある閑乗寺公園へ種を運び、「種の処理」と「種蒔き」を行いました。

この日はありがたい助っ人が登場です。南砺市利賀村を拠点に持続可能な地域づくりを目指している一般社団法人 moribio森の暮らし研究所の江尻裕・美佐子ご夫妻(写真両隣)と富山県における広葉樹育苗の第一人者であるTOGA森の大学校校長の長谷川幹夫先生(写真中央)が駆けつけてくださいました。

お三方も一緒に作業に加わり、はじめに種類ごとに種をトレイに並べます。

つづいて種の処理をするのですが、これがなかなか大変です。殻をとったり、果肉を取り除いたり、種によって処理の仕方が違うので、長谷川先生にご指導いただきながら進めていきました。

作業していると、急に雨が強く降ってきました。

いったん室内に避難して休憩。ほっとしながら長谷川先生のお話を聞いていると、いつの間にか先生を囲んだ育苗座談会が即興開催されるという場面もありました。ひと休みして、ふたたび外へ。

ネットをつかって果肉を取り除いたり、

水に浸けて浮いたものは取り除いて選別したり、

ゴマ粒のようなクマシデの種と格闘したり。雨のなか黙々と小さな種と向き合う時間は「瞑想みたいでしたね笑」(more trees 宮﨑談)

処理が終わったら、いよいよ種蒔きです。

トレーに土を入れ、種を蒔いていきます。ゴールまであとすこし!

樹種の名前と日付を書いた札をつけて、完成!

このあと育苗していく場所にトレーを運び、蓋をして、最初にお見せした写真のようになったのでした。

今後は閑乗寺公園など市内を中心に、ミチルワグループと協働で育苗を進めていく予定です。

ご参加いただいたミチルワグループやヴィストの方からは「こんなに種採りが楽しいとは…!」「障害者と楽しむイベントに種採りを取り入れてもいいかもしれないですね」という感想もいただきました。ミチルワグループは幼児から大人までライフステージを通じて切れ目のない障害福祉サービスを提供し、ヴィストは金沢を拠点に障害者の就労支援や放課後等デイサービスを展開されています。誰もが森と触れあって楽しい時間を過ごす、そんなきっかけがつくれたら私たちも嬉しく思います。

では最後に、種採り(小雨)⇒種処理・種蒔き(大雨)⇒ゴール!(水も滴る…)の景色の変化を、3枚の写真で。

みなさんお疲れさまでした!

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