ストーリー

タッキーさんがゆく。北海道美幌町で生育調査を行いました


more treesの妖怪アメフラシ、いえ陽気な山男タッキーさん。北海道美幌町の旭小学校との森づくりイベントにあわせて、植林地での生育調査も行っていました。美幌町の植林地がかなり広くなってきていることから、特に気がかりなエリアに重点を置いて調査したとのこと。

タッキーさんからの調査報告をお聞きください。

 

 

 

みなさん、こんにちは!元気にお過ごしですか?秋は森づくりがどっと動く季節で、種採りをしたり植林をしたり現地ツアーを開催したりと賑やかです。僕も北から南まで各地の森を飛び回っていて、月の半分くらいは出張しています。今日は北海道美幌町から報告します!

■まずは「登栄(といえ)地区」です。

ここは、2019年~2023年まで植栽を行ったエリアです。最初の1~2年に植栽した苗木は高いものだと4~5mを超えていました。嬉しいですね!これからはあまり手をかけなくても育っていってくれる見込みです。

一方、一部エリアでは植栽木の生育が芳しくない状況も見られました。ただ、天然更新も進んできているので、更新樹種と共生した森づくりを行っていく方針になっています。

▲背比べすると大きさ歴然!

■つづいて「日並地区」です。

日並地区にはいくつかの樹種を植えていますが、まずは「ミズナラ」の生育状況を見てみると食害が見られました。みなさん、食害と聞いてどんな動物を思い浮かべますか?ミズナラはウサギの食害を受けやすい傾向にあるんです。

日並地区のミズナラは植栽後~3年間ほど経過していますが、いまだにウサギ食害との闘いが続いています。加えて、美幌町内ではこれまであまり見られなかったシカの食害も確認されています。ただ、食害を受けても枯死することなく萌芽再生によって生き延びている個体もたくさんあって、幹は少しずつ太くなっている様子でした。今後は、春の開葉とともに一気に育つことで、動物の食害を受ける高さを超えていくことが期待されます。

▲食害を受けつつも、萌芽再生で生き延びているミズナラ

■お次は同じ日並地区の「ヤチダモ」を見てみます。

残念ながら全体的に生育が芳しくありませんでした。大半がなんとか萌芽再生している状況か、もしくは枯死していました。原因は調査中ですが、有識者からは野ねずみによる食害や霜害の可能性を指摘されています。さらに原因を調べ、対策を練っていきます。

▲なんとか萌芽再生しているヤチダモ

■最後は日並地区の「シラカンバ」と「ヤマハンノキ」です。

両樹種ともに生育良好でした。特に2021年に植栽したヤマハンノキはすでに大半が3mを超え立派に育っていました。こういう姿が見られるとやっぱり嬉しいですね。翌年に植栽したシラカンバも下草の高さを超えていて、来年以降はさらなる伸長が期待できるという状況です。

▲ヤマハンノキと背比べ

生育調査の結果を踏まえて、今後の手入れや植林計画を考えていく予定です。
以上、現場からお届けしました。

 

つぎの現場もお楽しみに!

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