和歌山県田辺市の植林地で生育調査を実施しました
2024年4月18日、more treesが「多様性のある森づくり」を進める和歌山県田辺市で生育調査を実施しました。対象地は、田辺市を拠点に活動する林業ベンチャー・株式会社中川が主体となって2022年11月~2023年1月にかけて植林をした3.38haの植林地。紀州備長炭の原料として知られるウバメガシを植えています。また、皆伐時に残した周辺の木から自然に種が落ちることで、ウバメガシ以外のさまざまな樹種の天然更新も促しています。
- ▲株式会社中川の苗畑。地元の山林でどんぐりを拾い、森に木を植える際に使用する苗木を育てています。
- ▲和歌山県の木、田辺市の木でもあるウバメガシの苗。紀州備長炭の原料としての長い歴史もあり、地域の森を象徴する樹種です。
今回の調査では、岐阜県立森林文化アカデミー特任教授・横井秀一先生をお招きし、植林地内に設けた3ヵ所の調査区で植林木の樹高測定や枯死率調査を行ったほか、植林地における天然更新の状況を調べました。
- ▲調査区のひとつ
- ▲株式会社中川(左側のおふたり)、more trees (右から2番目)、横井秀一先生(右)の三者で調査を行いました。
ウバメガシは、柵周辺の個体が一部シカの食害によって枯死していたものの、全体的にはあまり食害は見受けられませんでした。樹高としては平均30㎝程度と決して高くはありませんが、横井先生から生育は概ね良好という評価をいただきました。
- ▲調査区のウバメガシ
- ▲ウバメガシ(姥目樫、学名:Quercus phillyraeoides)は、ブナ科コナラ属に分類される日本原産の常緑広葉樹です。
天然更新の状況は調査区によって異なり、広葉樹の成木が近くに残っている調査区ではとりわけたくさんの樹種が天然更新をしていました。全体では、カシ類やサクラ類、スギなど計37種の天然更新樹種を確認。その中でも高木になる樹種には1本1本にテープをつけて樹高を測定し、今後ウバメガシと合わせて残していく方針としました。
- ▲アカシデ
- ▲アラカシ
- ▲コバノガマズミ
- ▲ウリカエデ
今回の生育調査の結果を踏まえつつ、今後の施業にも反映させ、引き続き地域の方々と協力しながら森づくりを進めてまいります。
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