ストーリー

オランウータンの森ツアーを開催しました


2月20日~25日、more treesをご支援いただいている法人の方々を対象に、「オランウータンの森 再生プロジェクト」の対象地があるインドネシア 東カリマンタン州を訪ねるツアーを開催しました。

今回のツアーでは、これまでmore treesが進めてきた植林地を視察したり、参加者の皆さんによる植林体験を行いました。植林体験では、遮るものがない赤道直下の炎天下の中、在来種や将来オランウータンの餌にもなる果樹などの苗木を丁寧に植えていただきました。

敷地内にある「オランウータンアイランド」と呼ばれるエリアでは、森に還るためのリハビリテーション最終段階のオランウータンたちの様子を見学しました。また、同じく敷地内にあるマレーグマの保護施設にも立ち寄りました。
オランウータンを観察したり、写真を撮ったりしていると、オランウータンも私たちを観察しているような様子が伺えて、その表情の豊かさや知能の高さに驚かされます。熱帯雨林の開発や森林火災などで棲み処を失い、保護された彼らの中には、様々な理由で二度と森に還ることができないオランウータンもいます。マレーグマは、一度人間が保護してしまうと、二度と野生には戻れないそうです。
過剰な森林開発に歯止めをかけ、失われた森林を再生していくことは、彼らのような傷ついた動物たちを減らし、また生物多様性を保全することにもつながります。

プロジェクト対象地から少し離れた「ブラックリバー」にて、クルーズ体験も行いました。熱帯特有のマングローブの木々の根が川面からのぞく独特の景観を楽しんだり、樹上に生息するテングザルや大トカゲなどの野生動物を見たり、水上集落を見学したり、日本では出会うことのできない景色を堪能していただきました。

現地の林業公社によって管理され、豊かな熱帯雨林が広がるブキットバンキライ森林公園も訪れました。プロジェクトの植林地では、樹高が低く幹も細い木がまばらに点在するのみでしたが、この森林公園内にはキャノピーブリッジと呼ばれる地上30~40mの高さの吊り橋よりも高い木や、樹齢何百年にもなる大木が生い茂っており、植林地と原生林との違いを実感することができました。

プロジェクト対象地に隣接する形で開発が進められていた石炭採掘現場と、小規模パーム農園にも立ち寄りました。昨年訪れてからの一年間で、新たに広範囲の石炭採掘が進められており、開発の波をひしひしと感じました。


あまり報道されていませんが、昨年大きく取り上げられた南米アマゾンの森林火災や、記憶に新しいオーストラリアの山火事と同じように、昨年インドネシアでも森林火災により多くの森林が失われました。また、東カリマンタン州は天然資源が豊富なため、石炭採掘などの開発がどんどん進んでいるだけでなく、インドネシアの首都移転先に決定しているため、今後ますます開発が進むと予想されます。

今回のツアーにご参加いただいたことで、森林やそこに住む野生動物、そして人間や経済活動とのかかわり、日本に住む私たちとの関係など、さまざまな角度からプロジェクトが取り組む課題や現状、背景などを知っていただき、行動へとつながるきっかけとなりましたら幸いです。

生物多様性豊かな熱帯雨林をどのように保全していけるのか、また失われた森林をどれだけ再生していけるのか。常に問いかけを続けながら、BOS財団や現地の方々と協力し、引き続きプロジェクトに取り組んでまいります。

※「オランウータンの森 再生プロジェクト
2016年に活動を開始した本プロジェクトでは、オランウータンの保護活動に取り組むBOS財団とともに、インドネシア カリマンタン島(別名ボルネオ島)東カリマンタン州 サンボジャ地区に財団が所有する敷地の火災跡地への植林や、延焼防止対策として防火帯や貯水池の設置を行っています。

more treesではご要望に応じた様々なオリジナルツアーのご提案が可能です。ぜひお気軽にお問合せください。 ≫お問合せはこちらから info@www.more-trees.org

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