【コラム】植えてからが肝心!フィリピン滞在記①
事務局長の水谷です。
1年半ぶりにフィリピンに行ってきました!
more treesでは2009年からキリノ州というエリアで植林プロジェクトを進めています。
日頃のオペレーションは、パートナーである現地NGOに進めてもらっていますが、定期的に現地に足を運び、ステークホルダーと顔を合わせ、意見を交換し、そしてプロジェクトの進捗をこの目で確認することが大切だと思っています。
ボクは約10年前まで、インドネシアで植林プロジェクトに関わっていました。
そこで痛感したのは、
植えることよりも、その後のケアの方がはるかに労力もコストもかかる
ということです。
どうしても、一般的には「植える」という行為がフォーカスされてしまいます。
ところが、その後ちゃんと根付いているか(活着しているか)、
きちんと育っているか、
さらにいうと、植えた土地が勝手に農地に変えられたりしていないか
(これって日本ではあまり考えられないかもしれませんが、途上国あるあるです)
のほうが重要だと思っています。
熱帯地域では、下草のほうが伸びるスピードは断然速いですから(日本でもそうですが)植えた苗木はすぐ背丈を抜かれます。
そうなると、光合成が阻害されて枯死してしまうので、定期的な草刈りは必須です。
それ以外にも、キリノ州の植林エリアでは「放牧」という地域的な問題があります。
↑カラバオ(水牛) ※彼は繋がれています
ロープをつけずに牛やヤギを放つと、植林地に侵入して下草だけでなく植えた苗木も食べられてしまいます。
実際、とある植林地は何年たっても生育が悪い原因がそれでした。
「植林地につき、放牧禁止、火気禁止」の看板
さらには台風や火災といった災害もあります。
(フィリピンの場合、自然発火でなく野火が火種になるケースが多いので自然災害とは言えないですが)
つまり、繰り返しますが、植えた後のメンテナンスが肝心なのです。
「何万本植えた!」といった指標はわかりやすいですが、
果たしてそれがきちんと育っているかは別問題です。
植えた木が、
1)ちゃんと育っているか(CO2を吸収・固定しているか)
2)生態系にプラスの影響を及ぼしているか
3)さらには、地域コミュニティに貢献しているか
も追跡し続けねば、プロジェクトを評価できません。
ということで、このプロジェクトはCCBスタンダードという認証を取得しています。
CCBとは、
「Climete(気候)」
「Community(地域社会)」
「Biodiversity(生物多様性)」
のセクションにおいて設けられている基準を満たしているかどうかを客観的に評価する認証です。
キリノ州のプロジェクトは、2010年6月にCCBスタンダードの「ゴールド」を取得しています。(詳細)
では今回、実際に現地へ足を運んでみた状況はどうだったのか??
マニラから車で10時間かけて訪問した現地の詳細は次回!
(続く)
(河原で食べた昼食。フィリピンもコメが主食です)