ストーリー

【コラム】仮設住宅プロジェクト ① 南三陸町

東北の被災地をめぐってきました。

先日のブログでも紹介しましたが、地域材/地元の工務店で建てる仮設住宅のプロジェクトを実行すべく、宮城/岩手へ。

今回拠点にしたのが、栗原市にある栗駒木材さん。栗駒木材さんは、救援物資を取りまとめて被災地に届ける活動もされています。

まず向かったのが、南三陸町。栗原から登米市を抜けて南三陸町、というルートだったのですが、栗原や登米といった内陸は、ところどころ道に亀裂が入っていたりするものの、はっきり言って震災の生々しさはそこまで顕著ではありません。

内陸側から南三陸町に入ってもしばらくは道もスムーズ。

ところが、海に次第に近づくにつれ、様相は一変します。

とある地点から、本当に急激に状況が違います。道路のがれきは撤去されているものの、道の両サイドには海沿いから流されてきたであろうがれきが。

川と並行に海沿いまで行くと、もっと凄惨な光景を目の当たりにしました。

ここが町の中心部だったとは。。。空襲を受けたのかと思わせるような状況でした

高台には、「ベイサイドアリーナ」という体育館とグランドがあり、そこに多くの方が避難しています。南三陸町は役場も流されてしまったので、敷地内のテニスコートに仮庁舎を設けて運営しています。

今回はそこで役場の担当の方とお話をしてきました。

住民もまだ900名程度の行方不明者がおられ、役場の職員の方も数十名殉職されているなかで、行政の機能がかなり混乱している様子でした。(こうしたなかで貴重なお時間をもらい、感謝です)

震災から半月以上が経過し、避難所生活にストレスを抱える方が増えている中で、仮設住宅へのニーズは相当高まっています。

ただ、高台の用地確保の問題や、地元を離れたくない(せめて近隣の市町村がいい)という方が多い中で、どういった住宅建設の進め方がベターなのかを、住民のニーズを踏まえて把握しようとしている状況だそうです。

実際、用地については、候補地の一つが津波被害にあった小学校の校庭だったことに住民の方からの不満が続出し、白紙に戻した旨が先日も報道されていました。

ボクらとして伝えたことは

・仮設住宅を周辺地域の材で、周辺地域の工務店さんや大工さんで建てることを提案

・その資金は、我々が寄付を募って皆さんの善意で建てたい

・何よりも用地については町の理解と協力が必要(水道や電気などのインフラも含めて)

・10棟、20棟単位の小規模な地域(集落)に対するサポートであれば、我々は小回りが利くので

より対応できると思う (広い土地に、大規模な戸数を建てることは大手さんの領域だと思うので。)

沿岸部には船大工さんもいますし、工務店や設備関係を生業にしている方もいらっしゃいます。

そうした方の「職」の一つとしても、一助になるのではないかという提案には、ご担当者も理解を示してくれました。

ただ、役場としてはより沢山、より早く建てたいという気持ちもある中で、「今すぐにこの土地で」という話には至りませんでした。

引き続き情報交換はさせていただくことにして、役場を後にしました。

 

(つづく)

水谷伸吉 

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