日本は国土の約7割が森林に覆われる森林大国です。戦後の木材不足により、国によってスギやヒノキなどの植林が推進されたことで、人工林を中心にこの100年間で日本の森林面積は増加しました。
しかし、近年生活スタイルが変化したことで木材需要が減少し、林業が衰退した今、この先手入れがされないであろう人工林が増えています。
また、日本には主要な樹木が500種類以上あるといわれていますが、スギとヒノキの2種類のみで人工林の約7割を占めるまでになっており、森林の多様性が失われている状態です。
手入れが十分されていない人工林は、間伐などの適切な森林整備を行うことで森林を健全な状態に導き、森林が持つ機能の回復を目指します。収穫期を迎えて皆伐(一斉に伐採)された跡地には、スギやヒノキなどの単一樹種のみならず、その土地に適した様々な樹種を植林することで「多様性のある森」への更新を目指します。
また、国産材の活用を進めることで間伐や枝打ちなどの森林整備をさらに推進し、健全な森林を維持しながら活用するサイクルの成立に取り組んでいます。
世界では、1秒間にテニスコート15面分もの森が消失していっています。特に問題となっているのが、豊かな生物多様性を支える熱帯雨林などの減少です。木材の利用を目的とした商業伐採や、農地(プランテーション)や牧草地への転換を目的とした野焼きによる開墾が引き起こす森林火災など、人間の経済活動が熱帯雨林減少の大きな原因となっています。また、地球規模での森林減少は、気候変動に大きな影響を与えています。
森林減少が著しい発展途上国において、主に植林とそのメンテナンス、また森林火災防止のための防火帯や貯水池などのインフラ整備も行っています。植林においては、在来種と共に果樹も植えることで将来的に果物の収穫を目指すほか、地域の自然資本をベースとしたグリーンツーリズムを展開するなど、多面的なアプローチによって地域課題の解決を目指しています。