《エンタテイメント×森林》学生のアイディアとは?東京工科大学メディア学部の特別講義「ライブ・エンタテインメント論」に登壇しました
10月1日、東京工科大学メディア学部の特別講義「ライブ・エンタテインメント論」にmore trees事務局長の水谷が登壇しました。さまざまなゲスト講師を呼んで2007年から行われているこの講義への登壇も今年で4度目となります。
いまやエンタテイメントやクリエイティブの分野でも、SDGsをはじめとする社会課題への対応が求められる時代になりましたが、ひと昔前なら、なぜライブ・エンタテイメント論の講義に森林保全団体が?と不思議に思われていたかもしれません。ただその「ひと昔前」から、クリエイティブと社会活動を切り離さずに活動していたのがmore treesの創設者である坂本龍一でした。
坂本と水谷の初対面は、坂本がLIVE EARTH 出演のために来日していたときのこと。LIVE EARTHというのは、地球温暖化防止を訴えるために開催された世界規模のチャリティーコンサートで、アル・ゴア米元副大統領らが開催を呼びかけ2007年7月7日に7つの大陸で開催されました。坂本はYMOとして京都・東寺の会場に出演し、そのかたわらで水谷に「more treesの事務局長になってくれないか?」と声を掛けmore treesが誕生。
そんな話を入口に、「気候変動」「カーボン・オフセット」「脱炭素」「ネイチャーポジティブ」といった昨今注目を集めているキーワードをつなぎながら、森林を取り巻く状況と私たちとの関係、そして未来のためにできることなどを事例を交えてお話しました。
また、具体的なアクションのひとつとして、昨年よりカーボン・オフセットの取り組みも行っています。通学に伴うCO2排出量を各自で算定していただき、講義で使用したホールの電力使用に伴うCO2排出量と合わせてオフセットする予定です(約3トン)。オフセットには、more treesが提供する森林由来のクレジットが活用されます。
さらに今回の講義では事前に「エンタテインメントを通して、地球環境や森林のためにできることはなんだと思いますか?」というお題が担当教授から出されており、メディア学部の学生さんならではのアイディアが寄せられました。
- 森林や綺麗な川、海などはVR空間で見るととても迫力があり、自然と触れ合っているようで心が落ち着きます。しかし同時に、実際にその景色を見たいという気持ちや自然を肌で感じたいという恋しさを覚えます。VR空間で自然を表現することは、自然の魅力をより身近なものにし、関心を惹き、足を向けるきっかけになり得ると考えています。
- アニメや映画など、作品の聖地を巡りながらゴミ拾いをするツアーを開催する。パンフレットや説明でも、原作の内容と絡めながら環境問題や森林破壊などについて触れ、関心を持たせるきっかけをつくる。
- 環境破壊が続くと世の中がどうなってしまい、どのような危険があるのかや、環境破壊によって破壊された世界などの映像作品を制作し、啓発活動を行う。
- 森林テーマとしたゲームやアニメづくりをし、森林にいる動物たちや、植物をゲームを介して知る機会を作る。このコンテンツ制作によって、絶滅危惧種の紹介や、動物たちがどのような生活をしているのかを知るコンテンツとして、触れ合い系のコンテンツや、探索系のコンテンツとして開発する。
- 主人公が日常生活の中で異常なほどに地球温暖化対策をする、という少しコメディチックなアニメを1シーズン(14話くらい)の規模で作ったらおもしろそうだなと思った。
学生のみなさんのこうしたアイディアが、いずれ人々の心を動かし、社会を動かし、いまは解決困難に思える問題をもみほぐしていくかもしれません。エンタテイメントの力で未来を切り拓いていく若者たちのこれからを応援しています。
※more treesでは全国各地のシンポジウムやセミナーへの登壇や講師派遣を承っています。下記よりお気軽にお問い合わせください。