ストーリー

一緒に山歩き気分を♪タッキーさんのわくわく植林地調査 in 北海道足寄町

美術館や博物館や名所旧跡をひとりでゆっくり見て回るのもいいですが、ちょっと詳しい人と一緒だと見える世界が変わってさらに楽しいですよね。more treesのスタッフ岸卓弥(愛称:タッキーさん)は、一緒に山へ行くと木のことをいろいろと教えてくれます。なかなか植林地に行く機会がない方も、ぜひこの記事でタッキーさんと山を歩く気分を味わっていただきたいなと思います。では、どうぞ♪

植樹?天然更新?

ここは北海道足寄町。more treesが第一生命様と協働で森づくりをしている場所です。植樹イベント前日の6/28(金)、more treesのスタッフ4名は前年に植樹が行われた山の斜面にいました。一帯の樹木の生育状況を確認するというのがこの日の目的です。

タッキーさん:「これは昨年の植樹祭で人が植えたイヌエンジュの木です。周りを覆っている白いものはツリーシェルター。野生動物が侵入して苗木を食べたり傷つけることを防ぎます。シェルターのてっぺんから枝葉がはみ出すほど成長していますね。」

タッキーさん:「植えたときは80cmほどだったんです。1年経って、身長175cmある僕とおなじくらいの大きさに。すくすく育っている姿が見られて嬉しいです!」

タッキーさん:「こちらはヤチダモの木。植樹した木ではなくて、もともとこの地に生えていた木から種子が落下して成長したものです。そうやって自然に落ちた種から樹木が育つことを【天然更新】と呼んでいます。」

タッキーさんと一緒に、さらに上へ登ってみましょう。

タッキーさん:「ひとつめは天然更新したイヌエンジュ。次はカラコギカエデ、最後はイタヤカエデです。3つめは厳密にいうとオニイタヤといいます。カラコギカエデもイタヤカエデもメープルシロップが作れます。美幌町では実際にメープルシロップを作ってるんですよ。」

何気なく通り過ぎてしまいそうな木も、ひとつひとつ名前や特徴がわかると愉しいですね。

タッキーさん:「これは野生動物に食べられた跡です。シェルターで覆っていないと、こうした食害で木が枯れてしまうことがあるんですよね。」

タッキーさんの大事なもの

30分ほどかけて斜面の中腹のあたりまで登ってきました。おや、タッキーさんが何か見つけたようです。

見てください、この嬉しそうな顔!

タッキーさん:「ええっと、葉っぱの形とか付き方を見ると、これもカラコギカエデですね。」

ウェストバッグから取り出したのは山と渓谷社の『山溪ハンディ図鑑 14 増補改訂 樹木の葉』(1300種類も載ってるんですよ!by タッキー)。タッキーさんが肌身離さずに持ち歩いている仕事道具のひとつです。すこしでも気になることがあれば、目の前の木と図鑑を見比べて確認していきます。

植林地は登山道と違って整備された道はありませんが、タッキーさんが先頭をいってくれるので安心。後をついていきましょう。

タッキーさん:「これはハルニレ。北海道を象徴する木です。」

タッキーさん:「これはタラノキです。春先はやわらかいタラの芽を天ぷらにしたりするとおいしいですよね。立派なトゲがあるので気を付けて歩いてくださいね。」

タッキーさん:「♪果て~し~な~い~ 大空と~♪」

突然歌い始めたタッキーさん!松山千春さんの「大空と大地の中で」ですね。足寄町は松山さんの故郷なので、ついつい口ずさんでしまったようです(笑)果てしない大空に近づくように、私たちもさらに上へ。

タッキーさん:「これはミズナラです。ウィスキーの樽の原料になります。」

ようやく尾根に到着です!早朝に羽田を発って帯広空港に降り立ったとき「24℃」の表示に喜びましたが、それから気温がぐんぐん上がって30度を超える暑さ。でも、こんなに爽やかな笑顔のタッキーさんを見ると元気が出ますね。

タッキーさんの溢れる探求心!

おや、タッキーさんはまた何かを発見したようです。

タッキーさん:「樹皮の色からするとダケカンバなんですけど、シラカンバのようにも見えますねえ。うーん、どっちだろう…」

今回はちょっと苦戦している様子。双眼鏡で観察し、実際に触れ、図鑑でも調べること10分ほど。

タッキーさん:「葉っぱの大きさと葉脈の細かさを見ると、これはシラカンバですね!」

尾根に到着し、シラカンバの謎も解けてすっきりしたのにタッキーさんはまだ登ろうとしています(笑)

タッキーさん:「これはエゴノキかな?いやあ、でもちょっと違うかな。あ、ナツハゼですね!」

斜面を登りはじめてから1時間半。昨年植樹した木も、天然更新した木も、いろいろな樹種の木を見ることができました。汗びっしょりになったので飲み物を飲んでひと息ついたら、そろそろ下りましょう。

ようやく車がある場所まで戻ってきました。
ん、タッキーさんの姿がない…??

あ、いた!(どこにいるかわかりますか?)

ほら、あそこ!

どこまでも山が好き、森が好き、木が好き。少年のように目を輝かせ、ぎりぎりまで木々を愛でるタッキーさんでした。

タッキーさん:「ぜひまた山歩きをご一緒しましょう!」

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