岐阜県東白川村にて「技術研修会」を実施しました
5月12日、「more treesの森」がある岐阜県東白川村にて、「多様性のある森づくり」を進めるための「技術研修会」が開催されました。本研修会は、3月に同村にて実施した「多様性のある森づくり勉強会」を踏まえ、施業地の植栽デザインを計画する場として企画されました。
勉強会に引き続き、講師には岐阜県立森林文化アカデミー特任教授の横井秀一氏をお招きし、現場の確認作業や状況に応じた今後の対応を検討しました。
施業地となる現場は、区域内の樹木が全て伐採された皆伐地で、地表は全体的に笹に覆われている状況でした。その下に生えてきている広葉樹があるかどうかを確認する作業を行ったところ、複数の樹種の萌芽が確認できたものの、笹の高さを超えていなかったり、低木性であること、またシカの食害の影響を受けており、このままでは森にはならない状態であることが分かりました。こうした状況を踏まえ、「多様性のある森づくり」に向けて植林を進めていくことを確認しました。
植林を進めるにあたり、面積や植栽本数・密度などのパッチの条件を決めていきました。植栽後の食害防止対策は欠かせませんが、今回の現場では施業地全体を囲うのではなく、パッチディフェンスと呼ばれる、植栽した苗木自体を囲う方法で獣害防止ネットを設置する方針を定め、何本の苗木に対しどの程度の大きさの囲いを設けるかを決めるため、実際に支柱を組み立ててパッチの大きさを検討しました。
こうした現場での状況確認を踏まえ、最終的に施業地全体にどのようにパッチを配置し、各パッチ内でどのように苗木の植栽を進めるか、横井先生にアドバイスをいただきながら、実際に施業や管理を行う地域の方々が主体となって植栽デザインの計画を立てていきました。
東白川村の皆さんを中心に、将来に向けて思い描く「多様性のある森」を目指した取り組みが着実に前進しています。横井先生をはじめとする専門家や技術者の方々とのつながりや、各地の事例などもご紹介しつつ、継続的な森づくりのための良き伴走者となれるよう、これからも地域に寄り添い活動を続けてまいります。