【コラム】SDGsはインナーマッスルを強化する!?
水谷です。
以前、SDGs(Sustainable Development Goals)と森林との関連性についてブログで紹介しました。
→ 森林保全で達成されるSDGsの目標はいくつある??
企業サイドでは、
「わが社はSDGsの●番と○番に取り組んでいます」
と、対外的な発信に力を入れる事例が増えています。
もちろん、せっかく世の中にとっていいことをしているのであれば、それをきちんとステークホルダーに伝えていくことは大事です。
昔は「黙ってやるのが美徳」とされていたかもしれませんが、やっているのに発信しないのは損ですから。
一方で、SDGsへの取り組みが意外と社内には知られていないケースも散見されます。
対外的(アウター)な発信を意識するあまり、社内(インナー)への浸透が図られていないケースは、CSR全般に言えることなんじゃないかと思います。
先日more treesが主催したセミナー「SDGs達成のカギを知る」
を通じて改めて感じたのが、社内への周知の大切さです。
たとえば、A社が森林保全活動に取り組んでいるとしましょう。
そのフィールドに従業員を連れていくことで、社内でもその活動が知られることになります。
最初はいやいや参加していた人の中には現場の保全作業にハマる人もいるでしょうし、泊りがけで行くことで地域の食材・お酒、もしくは現地の「人」との交流に魅力を感じる人も出てくるでしょう。
また現地での「合宿」は、日頃は希薄だった従業員同士の交流の場ともなり、チームビルディングにも一役買うでしょう。
営業マンにとっては、自社を紹介するうえで商品・サービス以外のトークの引き出しが1つ増えたともいえます。
いずれにせよ、組織として取り組んでいる活動の意義や目的が社内で広く、そして深く共有されるきっかけになることは間違いありません。
このように、たとえSDGsへの取り組みがトップダウンだとしても、その思想や意図が従業員に浸透していくことで、現場が「やらされている感=受動」から「腹落ち=能動」に変化し、結果として社内のモチベーションや組織力の強化につなげられるポテンシャルがSDGsには秘められているのです。
つまりSDGsへの取り組みは、対外的な発信と並行して、社内にも意識的に浸透を図ることでビジョンやポリシーが全社にいきわたり、結果として企業価値が高まるのではないでしょうか??
身体に例えると、インナーマッスルを強化することで体の軸が整い、姿勢や立ち振る舞いも安定してくるようなイメージです。
6つに割れたバキバキの腹筋を披露することも大切ですが、インナーマッスルを鍛えることも大事ですよね。
実際、more treesで関わっている事例を見ても、寄付やカーボンオフセットのみで関わっている企業よりも、実際に担当者が現地へ足を運んだり、社員ツアーを実施したり、地域材をノベルティ等に活用したり、「調達」に認証材を採用したりと横展開している企業のほうが、社員への巻き込み力が強い傾向があります。
インナーマッスル(内)とアウターマッスル(外)の両方を鍛えていけるように、ボクらも導いていきたいところです。