【コラム】デング熱ではない、謎の高熱
先日、フィリピン・キリノ州より帰国した直後から3日間にわたって、原因不明の高熱や諸症状に悩まされました。結果的にデング熱でもインフルエンザでもなかったと診断されたわけですが、東南アジアに渡航する人の参考になるかも知れないですし、事の顛末を綴りますね。
【発症 初日】
まず、帰国したのが4/17の深夜(日付変わって4/18(土))でした。その直後から、いきなり悪寒と倦怠感に襲われました。体温は測ってないですが、間違いなく発熱も始まっていたでしょう。
朝になっても症状は改善されず。この時の症状をまとめると
・体温は39℃ちょっと
・全身の倦怠感
・悪寒
・筋肉痛
・頭痛(特に目の奥というか、こめかみの奥というか)
・みぞおちのちょっと下あたりのチクチクとした痛み(これは常時でなく、時々)
といった感じでした。最初は風邪かな、と思ったんですが、ボクは風邪をひく場合たいてい喉からくるんですね。ところが今回は喉に全く違和感がありませんでした。
しかも食中毒だったら嘔吐や下痢があるはずなのに、その症状もなかった。
ということで、もしや?と思ってデング熱についてネットで調べてみました。
—————————————————————————————————————
【デング熱】
感染3~7日後、突然の発熱で始まり、頭痛特に眼窩痛・筋肉痛・関節痛を伴うことが多く、食欲不振、腹痛、便秘を伴うこともある。発熱のパターンは二相性になることが多いようである。発症後、3~4日後より胸部・体幹から始まる発疹が出現し、四肢・顔面へ広がる。これらの症状は1週間程度で消失し、通常、後遺症なく回復する。
(国立感染研究所HPより)
———————————————————————————————————-
おいおい、発疹はないものの、症状がかなり一致してるぞ。
ちなみにボクは人一倍、蚊に刺されやすい体質。
2月にスタッフを連れてインドネシア・東カリマンタン州に行った時も、随行した2人のスタッフはそれぞれ2~3か所くらいしか刺されてなかったのに、ボクは20か所以上刺されてたし。デングは蚊を媒介にしているから、なおさら怪しい。。。
今回の訪問中、森に一番長い時間立ち入ったのは4月14日(火)
https://www.facebook.com/shinkichi.mizutani/posts/825940847488119?pnref=story
潜伏が3日~7日だとすると、18日に発症してもおかしくないし、つじつまが合います。
おいおいマジかよ、勘弁してよ。と思い、さらに調べていくと、「チクングニア熱」なる聞いたことがない、これまた蚊を媒介とする感染症の情報にぶち当たりました。症状は―
————————————————————————————————————-
【チクングニア熱】
2日から長くても2週間程度の潜伏期間の後に、40℃に達する高熱と斑状丘疹があり、関節が激しく痛む。他に頭痛や結膜炎、羞明(眩しがること)などを伴うことがある。発熱は2日ほど続き急に終息するが、関節痛、頭痛、不眠、全身疲労などは5日から7日ほど継続する。 関節痛は年齢にも依るが2年ほど続くこともある。
また近年の流行では発熱することなく関節痛を訴える患者も多い。 関節痛は朝に酷くなる傾向があり、軽い運動で楽になるが激しく動かすと悪化する。数日間痛みが和らぎ再び悪化することもよくある。膝や肩、背骨などでひどく、手足首や指の関節などにはそれほど影響がない。また職業柄酷使する関節ほど症状が酷い傾向がある。
成人では多くないが、小児とくに新生児では嘔吐、下痢、脳髄膜炎などを生じる場合がある。神経性の網膜炎やブドウ膜炎などを合併することもあるが、予後は一般的に良好で、たいていの患者が視覚を回復する。
———————————————————————————————————-
おいおい、デング熱ほどではないかもしれないけど、この症状ともある程度の類似点があるぞ。
とはいえ土日は保健所も病院もやってないし、月曜までは経過をみることにしました。
(ちょうど土日はmore treesがアースデイ東京@代々木公園に出展していたので、土曜はちょっと無理して会場に顔だしてみたりしたのでした。 汗)
【発症2日目】
その後、土曜の深夜(発症から約24時間後)に39.9℃を記録したものの、熱はその後下がっていきます。
ちなみに発症2日目の日曜日は
・体温は38℃前後
・頭痛(目の奥の痛み)が続く
・みぞおちの断続的な腹痛も続く
・筋肉痛はほぼ消えた
・悪寒や倦怠感もだいぶ和らぐ
・下痢の症状が新たに始まる
といった症状でした。
【発症3日目、そして検査へ】
3日目(月曜日)はさらに微熱程度まで熱が下がるまでに。朝イチで保健所に電話をして対応可能な病院を紹介してもらったところ、自宅から目と鼻の先にある総合病院を紹介され、そこへ行くことに(遠くてもいいから感染症科があるところがいいです、と言ったんですけどね)。
総合病院だけあって患者さんも多く、血液検査やインフルエンザ検査に4時間もかかってしまいました。
【結論】
さて結論からすると、デング熱ではないだろう、インフルエンザも陰性、とのことでした。
(血液検査までしたうえで「ないだろう」というのがちょっと気になりましたが)
じゃあなんでしょう?と聞くと、
医師いわく、「おそらく何らかのウイルス性感染症でしょうね~」 とのこと。
(でしょうね。そりゃボクだって何らかのウイルスだろうことは想像がつきます。ただ、その「何らか」が一体何なのかがすごく気になる!)
とにかくデング特有の発疹も今のところ出てないし、経過をみましょうということで診察は終わりました。
結局、感染ルートが蚊なのか、食事なのかも分からずじまい。ただ、水や食事には十分に気を付けていたはずだし、となると蚊なのか??
いずれにせよ、もし感染ルートが分かれば、次回以降少なからずケアできるでしょう。(ただし蚊の対策はボクの体質的に限度があります。虫よけスプレーしても、携帯蚊取り線香してもよく刺されるんです。)
ちょっとモヤモヤが残りましたが、発疹はないし、デング熱でなかった(であろう)のは何よりです。
ご心配おかけしました。
ちなみに、こんな一覧表を見つけました。ご参考まで
余談ですが、高熱時はとにかく補水が重要だ、とネットにも書かれていたので、経口補水液なるものを生まれてはじめて購入。
ぶっちゃけ美味しいものではないですね(汗)
2本飲み干した後は、普通のポカリに切り替えましたw
水谷伸吉