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【コラム】森と海のつながり

昨日、『EARTHアワード2010』というイベントに参加してきました。

EARTHマガジンという携帯コンテンツの月額使用料の一部が、more treesと「save the beach」の2つの団体に寄付されるというつながりがあったので。

ちなみにsave the beachは今年設立されたNPOで、ビーチバレーの西村晃一さんが代表をつとめ、理事には菅山かおるさんやビーチサッカーの前園真聖さんが名を連ねる団体だそうです。http://www.savethebeach.jp/index.html

 

さて、EARTHアワードは、一昨年までサーファーズアワードという賞をベースに今年から新設されたものらしいです。なので会場は海関連の人が中心で、森関連の人はひょっとしたら自分一人だったのかもしれません。

受賞者も、プロサーファーの方や海関連のドキュメンタリー映画を制作した海南友子さん、長年日本の海岸を研究している土木研究センターの宇多高明さんなど海をベースにしているかたばかりでした。

 

けど決してアウェーな感じはしませんでした。

というのも、アワードの中でmore treesの活動紹介をさせてもらったのですが、それに皆さんが反応してくれたから。今回は森の話ばかりしても、、、と思い、スライドも海とのつながりを強調するものを使ったんです。

四万十川上流の梼原町の山奥にある、漁船が奉納されている海津見(わだつみ)神社、

黒潮がはぐくんだカツオ、なども盛り込みつつ、森と海が川でつながっていること、

more treesは森を軸足に置きつつ海も大切にしたいと考えていること、

そしてなにより畠山重篤さんが提唱する『森は海の恋人』というフレーズにも共感してもらえました。

 

サーファーは環境に敏感な人が多いといいます。

流域単位でのつながりなどもできたら面白いな。

 

それと、もうひとつ興味深かったのが、受賞者の一人である宇多高明さん。

長年日本の海岸を研究している方なのだが、日本の沿岸が世界に類を見ないほどテトラポットなどで埋め尽くされてしまっている現状に対して強く疑問を投げかけていました。

後で立ち話をしました。一つ聞きたいことがあったので。

「日本の砂浜が減っているというのは、温暖化による海面上昇というよりは、ダムとの因果関係が強いのではないですか?」 という質問を宇多さんに投げかけたところ、

「大いにあります。」

 

やはり、川にダムなどの建造物が建設されたことで、川から海に流れ込む土砂の供給量が減少していることも要因のよう。

それと、宇多さんは合わせて川が供給するのは土砂だけでなく、栄養塩(ミネラル)も重要であると話してくれました。

たしかに、豊かな森林は川を通じて海の植物プランクトンに栄養を供給し、魚介類へとプラスに連鎖していきます。

(一方で窒素やリンなどによる富栄養は赤潮や青潮にもつながりかねないですが)

さらに、個人的にはブルーカーボンにも注目しています。

ブルーカーボンとは、マングローブや海藻、サンゴなどの海洋生物が吸収するCO2のことで、昨年UNEPが発表した単語です。

僕らが取り組む森林によるCO2吸収(グリーンカーボン)ととても近い。

森と海、今後ますますつながってきそうな予感。

水谷伸吉

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